寵愛の姫 Ⅲ【完】
「覚悟しろよ、莉茉。」
じっと、莉茉を見下ろす。
「………覚悟?」
「あぁ、もう、俺はお前を手離してやれねぇからな。」
ゆるりと、口角を上げた。
例え、泣き叫んでも。
………………嫌われたとしても。
もう、手離せない。
「莉茉、お前は俺だけを愛して、その一生を、一緒に生きろ。」
この、さらさらの髪も。
華奢な身体さえ。
ーーーーー莉茉の全ては、俺のものだ。
「その代わり、俺のを莉茉にやる。」
俺は、自分自身を差し出そう。
それで、莉茉が手に入るなら。