寵愛の姫 Ⅲ【完】
「っっ、」
笑う私に、目を見開いたお父さんは、直ぐに切なげな表情を浮かべ。
「………っ、莉茉、すまなかった…。」
ーーーー深々と、頭を下げた。
あの、高いプライドを持ったお父さんが、小娘にすぎない私に対して、だ。
「っっ、」
その現実に、私は目を見開く。
………………今、何が起きているの…?
呆然と頭を下げたお父さんを見つめ。
ーーーー困惑した。
分からない。
その、謝罪の意味も。
お父さんの、表情の理由さえ。
全く、何一つ、分からない。
………何で、そんな苦しそうな顔で、私に謝るの?