寵愛の姫 Ⅲ【完】

「………莉茉…?」

「………。」



頭を下げ続けたお父さんが、困惑げに顔を上げるのを、私はじっと見つめる。








………………どうしてだろう。






ねぇ、お父さん。





ーーーーー私、ね?



「お父さんが本心から謝ってるんだって事が分かるから、謝罪は、もう良いよ。」


「………………許してくれるのか?」



期待にか、お父さんの瞳が輝く。



「………………うん、だから…。」


「だから?」



お父さん。




………………私はもう、貴方達と家族に戻りたいとは思えないんだ。
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