寵愛の姫 Ⅲ【完】



「………莉茉?」


呆然と固まる私の目の前で、神無がひらひと手を振る。



「莉茉、どうしたの?」


「っっ、」


「…ねぇ、大丈夫?」



その神無の手にはっとした私の顔を、心配げな表情が覗き込んだ。



「………いや、…。」


「うん?」


「………、何か、凄いなって思ってさ。」



しみじみと、呟く。








桜樺の学費を思い、頭が痛くなる。





………………絶対に、高いよね?
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