寵愛の姫 Ⅲ【完】
「高校の文化祭の準備に、いちいち他の学校は、業者に頼らないからね?」
「………、知らなかった。」
ぽつりと、呟く神無。
「私、初等科から桜樺だけど。」
「うん?」
「“それ”が、普通だと思ってた。」
「………ははっ…。」
驚きに目を丸くする神無の言葉に、私は乾いた笑みを浮かべる。
「………そう、初等科もなんだ…。」
あぁ、そう。
高等部だけじゃないんだね…。
ーーーーふふ、桜樺学園、本当に凄すぎだよ。