寵愛の姫 Ⅲ【完】
当日
「いらっしゃいませ。」
がやがやと騒がしい教室内。
私達のクラス、1ーАは、多くのお客さんで席が埋まり、賑わっていた。
「………、あの、ご注文は?」
「声も可愛いじゃん。」
「ねね、注文よりも、名前を教えてよ。」
「で、この後、俺達と一緒に文化祭を回ろうよ。」
お客さんとして、私達のクラスに来店した3人のチャラそうな男の子達。
正直言って、苦手な分類の人達。
「………………困ります。」
「えー、良いじゃん。」
「………。」
このやり取りを何度、私は繰り返しただろう。
引きつる顔で笑顔を作れば、目の前の男の子達の目の色が変わった。