寵愛の姫 Ⅲ【完】
「「………。」」
無言が流れる教室内。
誰1人として、身動きせず、固唾を飲んで暁の顔色を窺っているじゃないか。
「ーーーお前、死ぬか?」
鋭く。
他の誰も寄せ付けないような雰囲気を醸し出す暁に、私の背中に冷や汗が流れ落ちる。
………………ヤバイ。
「っっ、あ、暁っ。」
絶対零度の笑顔を浮かべ、物騒な事を呟く暁の腕を、私は咄嗟に掴む。
うん、ナイスだ自分。
誉めてあげたいぐらい。
だって、この掴んだ暁の手を離したら、絶対にヤバイ事になりそうな気が、凄くするんだもん。