寵愛の姫 Ⅲ【完】
「「「っっ、」」」
その瞬間。
息を飲み、固まる男達。
ふふ、そんなに顔を強張らせちゃってさぁ。
ーーー本当、笑える。
そんなに怯えるなら、初めから手を出さなければ良い話しなのにね?
「兄貴の方が良かった?」
「「「………。」」」
兄貴の威圧感や覇気を思い出したのか、3人の男達は一様に、顔を真っ青にして、震えている。
「あれ、君達、何でそんなに震えているの?」
あまりの滑稽さと愉快さに、ついつい俺の口に笑みが浮かび、もっと苛めたくなった。