寵愛の姫 Ⅲ【完】
「「っっ、」」
鼻を鳴らした俺に、目を見開いたのは、1人や、2人じゃないだろう。
教室の中は、痛いくらいの静寂と、異様な沈黙に包まれていた。
「あぁ、そう言えば、君達は、彼女の名前も知りたかったんだよね?」
教えてやるよ。
そして、
………………自分達の愚かさを、存分に思い知れ。
「彼女の名前は、高崎莉茉さん。」
「高崎…?」
馬鹿な男の1人が、やはり高崎の名前に、滑稽なまでに、その声を震わせた。