寵愛の姫 Ⅲ【完】


「それは、本当に良かった。」



ふわりと、俺は微笑む。



「じゃあ、覚悟をしてね?」

「「「っっ、」」」



がたがたと身を震わせる男達を一瞥した俺は、教室のドアへと視線を滑らせる。



「お待たせしました、天野先輩。」



俺の視線の先に、ドアにもたれ掛かり、男達に鋭い目を向ける天野先輩の姿。



「………………もう、お前は良いのか?」


「えぇ、後は天野先輩の、お好きなようにしてもらって良いですよ?」




“もう、いらないです”




と、きっぱりと言い切る俺。







ーーーー良い笑顔で。
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