寵愛の姫 Ⅲ【完】

独占ー暁sideー



「莉茉、美味しいか?」



綿菓子を美味しそうにぱくぱくと頬張る莉茉の顔を、俺は覗き込む。



「うん、美味しいよ?」



満面の笑みで、にっこりと、莉茉が微笑んだ。



「ふふ、暁?」

「ん?」

「楽しいね?」

「あぁ。」



楽しげに笑う莉茉に、俺の口角も上がる。





そんなに喜ぶなら、煩わし視線も、人の多い文化祭さえ、悪くないと思えた。
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