寵愛の姫 Ⅲ【完】
「………甘いな。」
「っっ、」
ぺろりと、綿菓子を持っていた莉茉の指を舐めれば、その頬が朱に染まる。
そんな初々しい反応に、俺は目を細めた。
………………その顔を、他の奴に見せたくねぇ。
沸き上がる、独占欲。
「莉茉?」
「う、うん?」
華奢な身体を引き寄せて、自分の腕の中に囲う。
「ーーーお前は、俺を誘ってるのか?」
莉茉の頭にリップ音をさせながら口付けて、耳元で俺が囁けば。
「っっ、」
益々、その顔を赤らめた。