寵愛の姫 Ⅲ【完】


「………ち、がくは、ないけど…。」

「けど?」

「折角、暁と一緒に回れる文化祭を、もう少し楽しみたいの。」



視線をさ迷わせる莉茉の、可愛らしいおねだりに、俺の頬が緩む。



「そうか。」

「うん、あっ…。」

「ん?」

「最後に、大雅さんと銀次さんにの2人に、お土産を買わなくちゃ。」



はにかむ莉茉に、俺の中で、大雅と銀次さんに怒りが込み上げる。





土産だと?



「………チッ、あいつらに、莉茉からのお土産なんかいらねぇよ。」




あいつら2人の事を、何かと莉茉が気に掛けるのが、ムカつく。
< 455 / 469 >

この作品をシェア

pagetop