寵愛の姫 Ⅲ【完】



「駄目だよ。」



くすくすと、莉茉が笑い声を上げる。



「暁も一緒に選んで?」

「………。」



にっこりと微笑んだ莉茉のお願いを、俺が断られる訳がなく。



「………、分かった、その代わり。」

「その代わり?」

「ーーーー今夜は、覚悟しろよ?」



それぐらいのご褒美、俺になくちゃな?



「っっ、もう…。」



赤らめた頬を膨らませた莉茉に、忍び笑いを押し殺した俺は、華奢な肩を抱き、歩き出した。
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