寵愛の姫 Ⅲ【完】


「………………あぁ、やっぱり…。」



2人のお土産を鞄の中から見つけて、私は、がっくりと肩を落とした。





やってしまった、と。



「………忘れてた。」

「うん?」



小さく、ぽつりと呟いた私に、暁が首を傾げる。



「莉茉、何を忘れてたんだ?」

「………お土産。」

「土産?」

「うん、帰りに2人に渡すつもりだったのに。」



こくりと頷いた私は、項垂れた。
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