寵愛の姫 Ⅲ【完】


「っっ、」



はっと、立ち止まる。








………………いた。





遠目だけど、間違いない。






私の目線の先には、丁度、携帯電話で会話をしている大雅さんの姿。



「よ、かった、まだ帰ってなかった。」



ほっと、胸を撫で下ろす。







これなら、2人にお土産を渡せる。







笑みを浮かべ、私が一歩、足を前に踏み出した時、真横から飛び込んで来た“影”。



「っっ、いっ、た…。」




その“影”とぶつかった衝撃の後、腰の辺りに激痛が私を襲った。
< 462 / 469 >

この作品をシェア

pagetop