寵愛の姫 Ⅲ【完】
「っっ、」
どさりと、思わず鞄を下に落とす。
散らばる中身。
鞄の中に入っていた、大雅さん達のお土産のクッキーも、外に飛び出していて。
………………それが、とても悲しかった。
「………っっ、っう…。」
小さく呻き、よろめく。
腰の痛みに、私は顔をしかめた。
………な、に?
あまりの痛みに立っていられなくて、私の身体が、ぐらりとその場に崩れ落ちていく。
「ーーーーえ?」
崩れ落ちていく瞬間、“彼女”の姿を見て、私は大きく目を見開いた。