寵愛の姫 Ⅲ【完】



「ん、ありがとう。」



ゆっくりと、俺が差し出した手に、お礼の言葉と共に莉茉の細い指先が添えられる。




その、小さな手を握り締めて、自分の方へと引き寄せた華奢な身体。




素直に俺に身を委ねる莉茉肩を抱く。





そして、

そのまま玄関の方へと視線を向ければ、



「「……。」」



唖然とした組員達の姿があった。
< 47 / 469 >

この作品をシェア

pagetop