寵愛の姫 Ⅲ【完】



「ねぇ、暁。参考書を買いに行っても良い?」


「分かった。一緒に買いに行こうな。」


「うん。」



嬉しそうに頷く莉茉の華奢な身体を引き寄せて抱き締める。





きっと、


莉茉を失った瞬間、俺の中に潜む狂気が暴れだすたろう。



…………失えない。





この腕の中にやっと捕らえた、愛おしい女だけは絶対に。
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