寵愛の姫 Ⅲ【完】
新学期
不安
「ーーーーーよし。」
リボンを付け終わって、赤いチェックのスカートの襞を撫でる。
今まで通っていた学校とは違う、新しい桜樺の制服。
まだ真新しくて、くすぐったい気持ちになる。
「………変、じゃないよね?」
皺とかなってたら、大変。
鏡を覗き込もうとすれば、後ろからふわりと抱き締められる。
慣れ親しんだ香り。
温かく、私を包み込むような優しい腕。