寵愛の姫 Ⅲ【完】
「あぁ、莉茉なら大丈夫だ。」
「………うん。」
暁に宥められても、まだ不安はなくならなくて。
もともと、引っ込み思案だった私。
それによって、茉莉に奪われた友達“だった”人達を思い出すと、萎縮してしまう。
まぁ、友達だと思っていたのは、私だけだろうけど。
全てを奪われてきた学生時代。
私にとって、学校は忌むべき場所だった所。
正直、逃げ出したくて仕方がない。
「莉茉?」
「うん?」
見上げた先に、妖艶に口角を上げた暁がいた。