寵愛の姫 Ⅲ【完】


「っ、なっ…。」



絶句。



真っ白になる頭の中。





固まる私にくすりと笑った暁が、首筋に赤い華を散らす。




自分の所有物だと言わんばかりに。


「っ、ん、…。」


痛みの走った所を暁に舐められ、私の口から甘い吐息が零れ落ちる。



「莉茉?」


「っっ、」



私の顔を覗き込む暁の瞳に、欲情を孕んだ目をした自分が映っていた。
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