寵愛の姫 Ⅲ【完】


「余計な事を考える余裕はなくなっただろ?」



してやったりな暁の表情。


「…………うん。」



赤くなった顔を暁に見られたくなくて、俯く。


「不安なら、ずっと朔といれば良い。」


「……ん、そうする。」


こくりと頷いた私はの頬を、暁の手が撫でる。



「それでも、莉茉が無理だと思ったら…。」



「思ったら?」



「俺に電話してこい。」



電話?


………暁に?
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