寵愛の姫 Ⅲ【完】

香水ー暁sideー



「俺にとっては、親父との約束よりも莉茉の方が大事なんだよ。」



紛れもない、俺の本心だった。



「………暁…。」



瞳を潤ませる莉茉をゆっくりと引き寄せれば、素直に俺の腕の中に身を任せる。



全身で頼られているようで、その仕草が堪らなく愛おしく感じた。



「大切なのは、お前だけだ。」



俺の唯一無二は、莉茉1人。




そんな莉茉を、無理矢理に学校に通わせる必要はねぇ。




……だが…。



「莉茉?」
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