冬の歌集
《冬の歌集》


「この冷き手に」

この冷き手に貴女は魅せられた
快楽の香りの悦楽の園の雪の結晶

この冷き手に貴女は魅せられた
黒檀の髪の姉妹の華と雪の結晶

なぜ、その華が、なぜ、その華が
この手で溶けたのか
なぜ、その華が、なぜ、その華が
舞い降りたのだろうか、
いまでは、わからない

さあ、歌っておくれ
わたしの女神よ
恋人よ、描け、わたしたちの
物語をーー

この冷き手に貴女は魅せられた
快楽の香りの悦楽の園の雪の結晶



< 1 / 3 >

この作品をシェア

pagetop