無価値な少女は最強オネェ男士に護られて

当たり前の日常

与えられたこの暗い部屋で私は…息を殺して生きている
足音が近付いてきてドアが派手な音を立てて開いた
そっと顔色を窺った
明らかに怒っているそれだけは理解出来た
理由は分からないけれど怒っててストレスを発散させたいんだろうとだからこそ此処に来たのだろう
この部屋の中は電気がない
常に暗闇であるのはドアと頑丈な鉄格子、
簡易的なトイレのみ
他には何もない
私は…この中の世界しか知らない
外がどんな所か学校がどういう場所か昔読んだ本に書いてあるくらいそれくらいの知識しかない

おい…!いるんだろう出てこい

声を荒げているこの人は父親らしい

父親の名前は神ノ宮晴政(かみのみやはるまさ)
45歳
職業は何処かのお偉いさんみたいだ

あなた…あんなのは放っておいて行きましょう?

甘ったるい声でそう話しかけたのは母親らしい
母親の名前は神ノ宮寧音(かみのみやしずね)
45歳
神ノ宮財閥のご令嬢らしい
職業は財閥関連の事をしていると何かに書いてあった
気がする…

そんな2人のもとに産まれたのが私…

神ノ宮璃々愛 (かみのみやりりあ)
歳は多分…16歳…自信はない
誕生日なんて祝ってもらった記憶ないから
学校なんて行った事ないし…

私の日常はこの暗闇が全て

此処から出れる時は来るのだろうか…
2人が出て行った方向を見ながらぼんやりとそんな
事を考える

考えても意味ないんだけどね…











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