無価値な少女は最強オネェ男士に護られて
2人は出ていった後はいつものようにぼんやりと過ごしている

食事は運ばれてくる事なんてない
餓死しないように1リットルのペットボトルの水はくれるが…

それだけでなんとか命を繋いでいる
最初の方はお腹が空いていたがこんな生活を続けているおかげで水だけでも満腹になる方法が分かった気がした

外は今どんなのだろうと考えそっと天井を見た
相変わらず闇だ

光すら射すことのない暗闇…
こんな生活を続ける事になった原因を思いだしていた

財閥の令嬢である母とお偉いさんのもとで働く父
そんな両親は常に気を張って生きていた

求められる事が多い2人はストレスが溜まっていた
そんな中私が産まれた

必要最低限な世話だけをして保育園には行かせてもらえなかった

一度だけ両親にお願いした事がある
その日は私の誕生日だったからもしかしたら聞いてもらえるかもしれないと思ったから
保育園に行きたいと…

そう言ったら2人は

『あんたなんかを必要としている場所じゃないから
行かなくていい』

そう言われた

それでも行きたくて何度か言うと

『うるさい…!
あんたが生きてるだけで余計なお金が出てるんだから
大人しく従ってればいいのよ』

と母に言われ

『視界に映らないように地下牢に閉じ込めておくか』

と父に言われた


それが最初で最後の誕生日だった

地下牢に連れてこられてからは…地獄だった
最初の方は食事はあった
でも腐ったパンや残飯がほとんどだった
食べなければ殴ったり蹴られたりしたから
仕方なく食べた

だんだんと残飯すらも与えるのはもったいないと
言われ水のみが与えられるようになり

ストレスが溜まれば2人の気がすむまで
殴られ蹴られ叩かれ暴言を浴びせられる

中でも苦しかったのが熱した鉄を使い何度も殴られる事だ

熱くて痛くて苦しくて殴られるたびに皮膚が焼けて
いった

最初の頃は痛い…!熱いやめて…!と言ってたが
何度もされるうちに無駄だと分かり受け入れるように
なった。

声だって最初の頃は出てたのに今じゃ全く出ない

両親曰く『お前に声は必要ないから出すな』らしい

そう言われたから出さなくなった

外の世界を見てみたいな…と思いつつ両親が帰ってくる
前に痛む体を横になりして一眠りする事にした

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