ブルーハート
「あったーっ!!!!」
桜井の声が響く─。
桜井は歴史の教科書を
持って、走って
ドアの方へ向かった。
「真由ちゃーんっはい」
と言い教科書を
渡していた。
「ありがとーっ
落書きして返すねー♪」
「もぅっ!」
「(笑)あんがとさんっ」
「うんっ」
桜井は無事に教科書を
渡せて一安心という
感じで、教室の中に
入ってきた─。
俺も正直ホッとした。
見つかって良かったな、
と思いながら。
しばらく桜井の方を
見てると、桜井が
俺の視線に気付き
こっちを向こうとする。
俺は、その瞬間
体ごと目をそらした。
『危ねぇ~っ・・・・』
ギリギリ
目が合わなかった。