あなたの見る世界に私は
一時間目、朝から最悪…。国語だし、教科書忘れるし、となりの君とは教科書見せてなんて言えるような仲ではない。きっと回りの彼氏彼女いる人はこんなこと普通に言えるんだろうな。
「ねえ、教科書忘れたの?」
…え。君から話しかけてくれるの…?そう思いながら嘘をつく必要もないので素直に答える。
「うん、忘れちゃった。」
「じゃあ一緒にみよ」
……え。
「ありがとう…。」近い。よく見るとまつげが長くて目の下には泣きぼくろがあった。綺麗だな…。
まじまじと見るのはあまりよくない気がして下に目線を落とす。まだ開かれていない教科書の表面には名前が書いてある。
「水瀬 優」
優しくて、達筆で、、もう完璧じゃん。そう、君の名前は水瀬優。本当、綺麗な名前だな…。

訂正します。今日は最高の日…!
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