両片思いだったのに略奪されて溺愛されました



「……ハジメ」





ぽつ、っと。

口から出た名前。



こんな時に、――こんな時に、ヨソ様の恋人の名前を呟く。





その途端、私を羽交い締めにしていた腕の力が緩んだ



「そんなに嫌なわけ」


「嫌です」


「即答かよ」


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