両片思いだったのに略奪されて溺愛されました

「お疲れー」


「あ、千葉さぁーん!酷いですよこれ。さっき来たばっかりなのに」


「ごめんねー、三浦ちゃん。今日出しで出荷かけないと駄目なんだよ」



さっき内線してたはずのハジメが突然現れた

手にしているサンプルを横目に、嫌な予感がした私は、その会話にはまざらず雑誌をめくる



「杏、わるいんだけどこれすぐ修正してくれない?」


――だと思った



ハジメが手にしていたのは、3日前にサンプル依頼したカットブラウス。

前身がポリのシフォンで、背中が綿のロクマルのスムースになっている



「わかった」



私がそう返事して、ハジメからサンプルを預かろうとして顔をあげると、般若のように顔を歪めてこっちを睨んでいる三浦が目に入った

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