両片思いだったのに略奪されて溺愛されました
「伊藤さんは?」
「私は……残業終わってからだとあんまり食欲なくて……適当」
「変わらないじゃないですか」
表情かえず、つっこまれても。
怖いから。
ってか、この子ほんと表情のバリエーション少なすぎて。
でも、この嘘のつかない感じが楽ちんだと思ってしまった。
「残業そんな好きなんですか?」
「えっ、いや……したくてしてるわけじゃないし。仕事あるからやってるだけで」
「業務時間過ぎても終わらない仕事なんて、渡されすぎなんですよ」
「う……」
「頼られてるんじゃなくて、利用されてるんですよ」
「そ、そんなハッキリ言わなくても……」
「まあ、その様子ならわかってやってるんですね。頼られていい気分になってるだけかと思ってました」
おいおい。
ズケズケと。