両片思いだったのに略奪されて溺愛されました
最初は犯人が坂口かと思って、頭に血が昇ってた。
そのせいもあって軽く言い合いになり、杏は坂口を連れて中に入ってしまった。
何?どうなってんの?
杏が別に俺の彼女なわけでもない。ただ、ここは俺たち同窓生皆のメモリアル的スポットなわけで。
坂口が小慣れたように出入りするのが非常に気に食わない。
しばらくして出てきた坂口の顔を見るなり、俺は坂口をぶっ飛ばす。
が、続投しようとした2発目の腕を掴まれた。
「早とちりしすぎです」
「え?」
カッとなっている俺とは反対で、落ち着いた様子で坂口が俺の腕をおろす。
「水嶋さん、南に言われてここにきましたよね?」
「あ…ああ」
え、どういうこと?
「僕もです」