両片思いだったのに略奪されて溺愛されました
まあ、いっか。
なんかどうにでもなれだわ。
今まで恋愛のレの字もなかったんだし、いい年してもうこの先どうにかなる事とかもないし、いーや。
枯れ死ぬよりマシだ。うむ。
寝室に向かうと、クローゼットの整理をする。
「あ。」
「それ、要ります?」
いつのまにか背後にいた坂口くんが、私の肩に顎を乗せてきて、覗き込んでそう言った。
目の前には、みんなが泊まりに来た時用の部屋着の塊。
「でも……」
「今後、僕がいますけど、皆さんいらっしゃるつもりですか?」