両片思いだったのに略奪されて溺愛されました
苦しくて、辛い感情にばかり支配されていた毎日だった。
でも、同じ想い合う関係なのに、
どうしてこうも幸福度が違うんだろう。
「でも坂口くん、恋愛なんてくだらないみたいな事言ってなかった?」
私がそう言うと、ぎろり、と視線を鋭くして「くだらないとは言ってません、女には興味がないと言ったんです。ただくだらないとも思っていました」と呟いた。
「じゃあ今は?」
「くだらないと思いながら、抗えない状況です」
あはは!
「何それっ」
「思いの外、嬉しいんです」
「私もすごく楽しい」
「……楽しい?」