両片思いだったのに略奪されて溺愛されました



しん、と静けかえる。




だってそうじゃない?悩み事があるから考えちゃうわけで、なんの問題もないし。


「僕は千葉さんが企画室に行くたびに気が気じゃなかったです」

「仕事中にそんな色恋の事考えてないってば」

「どうやらそのようですね」

「そうだよ、全く」



でも、そんな事思ってくれてたのか、と思うと、胸が締め付けられた。




「でも」

「でも?」

「そうですね、でも。少しくらいは考えて欲しいってなってしまうもんですね」

「いやー、仕事中はねー」



オフィスラブなんてそんな漫画じゃあるまいし、実際それどころじゃない。



仕事の悩みが底を尽きない(とくに私のチームは)



だけど、坂口くんの告白は思った以上に私の心を打つ。
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