両片思いだったのに略奪されて溺愛されました

信じるということ




坂口くんとの同棲の日々は、驚くほど甘かった。






「杏、今日出る時言って」

「あー、わかった」




久しぶりの学生時代の卒業同期生の集まり。

まっつん(美食家)が趣味の垣根を越え、ついに自身でお店を出した。




サンプルを届けにきたハジメにそう返事を返して、黙々と作業に専念する。



最近、坂口くんのおかげか、残業がほとんどない。

我が彼氏ながら、毎日惚れ直す日々だ。



ハジメも敦史も仕事できると思ってたけど、坂口くんのシゴデキ感まじでやばい。


何が凄いって、坂巻さんのメンタルがめちゃくちゃ安定しているからだ。


この企画室にまさか春が訪れる日が来るとは。

< 722 / 814 >

この作品をシェア

pagetop