両片思いだったのに略奪されて溺愛されました
店に着くと、馴染みの顔ぶれが揃っていて
「おっそーい!こっちこっちー」
と、直美が入り口まで迎えに来てくれた。
久しぶりすぎて、なんか変な感じ。
前はよく集まってたのに、最近全然だったもんな。
お店は創作ダイニングで、ブラウンを基調としてしっとりと纏まっている。
「テラス席ががずっごく素敵なのよ…って杏、化粧してんの」
直美まで・・・
「そんな珍しい?」
「珍しいもなにも、してなかったじゃん、今まで」
いや、一応してるつもりだったんですけど。
そーいや、坂口くんにもナチュラルメイク小馬鹿にされたな。
だからやってるわけじゃなくて、本当、時間(心)に余裕が出来ただけなんだけど。