両片思いだったのに略奪されて溺愛されました
え……?
「南」
ハジメの声がして、ツカツカと猛禽女に近づくと、腕を引っ張って外に行ってしまった。
全てが一瞬のことすぎて、ポカンとしてしまった。
「え、なんなの」
直美がオロオロしていて
「…さあ?」
何?
あの子、なんて言った?
「そーゆー顔すんなって」
敦史が見兼ねたのか、私の肩をポンと叩いたので、叩き返した。
「触んないで」
「みんなどうしたの」
何も状況がわかっていない直美がうろたえて、ハッと我に返る
「ご、ごめんごめん」
泣きそうにすら見える直美の腕を組んで「お腹減ったよ、早くいこ」と、そう言った。