両片思いだったのに略奪されて溺愛されました




「じゃあ何なの」


「南とは同期なだけです」


「それで非常階段で逢い引き?まさか――身体の関係……」


「……」


ダメだ、もう。

この人には何を言っても無駄そうだ。




「え。否定しないの」


「言葉が出ないだけです。安直すぎて」


「じゃあ、協定組む?」


「……くだらない」



はぁっ、とため息をついた俺は、ドアと伊藤さんをサンドイッチしていた身体をはなすと、「仕事してください」と言って


階段を降りた。




協定もなにも、貴女、両思いですから。





< 782 / 814 >

この作品をシェア

pagetop