両片思いだったのに略奪されて溺愛されました
「じゃあ何なの」
「南とは同期なだけです」
「それで非常階段で逢い引き?まさか――身体の関係……」
「……」
ダメだ、もう。
この人には何を言っても無駄そうだ。
「え。否定しないの」
「言葉が出ないだけです。安直すぎて」
「じゃあ、協定組む?」
「……くだらない」
はぁっ、とため息をついた俺は、ドアと伊藤さんをサンドイッチしていた身体をはなすと、「仕事してください」と言って
階段を降りた。
協定もなにも、貴女、両思いですから。