両片思いだったのに略奪されて溺愛されました
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「リク、お腹減ったからご飯食べてこ」
「千葉さんと行けば」
「ハジメ君残業なんだもん、ってか、リクは帰れるのにどうしてハジメ君は帰れないの」
しらねーよ。
「市場調査しながら、表参道行きたいからついでに、ね?」
「まあ、それならいいけど」
最近なかなか他の売り場を見に行く時間は作れなかったので、それならまあいいかと2人で国道沿いの店をまわる。
終わる頃には腹も減っていたし、南の後をついて飯屋にはいる。
「何でこんな洒落た店?」
「ふふっ」
と、意味ありげな笑みを南がうかべる。
ん?と、聞き慣れた声がした方向に視線を向けた
…うわ。
「南、ちょっと悪趣味すぎて引くわ」
「ね、この間、非常階段で、なんかいい感じだったじゃない?どんな感じ?」
「お前との仲を疑われて、むしろ逆効果だったけど?」
「えっ、どうしてそうなるの!?」
全部お前のせいだろ。