男たちの、本懐。
純日本人らしき焦げた茶色の眼球が、男の血濡れた腸あたりを捉え次に、自身に向けられた銃口に、
____…一瞬は目を遣るけども
すぐに右や左や、上や、男の姿やと。
それはソレは忙しなく、現場を分析するように動くのに彼女の口は、
目よりも
素直に、その感情を口にするようだ。
「で、でも血ッ。血!どっ、…どっ」
「…」
ちょっ、ぁの。……そう、動転しながら眇めた眼といっしょにジィーッ、と麗質な男の上体を数秒、凝視した少女は。
銃口が向けられている事などまるで、気づかないのか「っえ?!!にっ、肉、!っっ…抉れっ!!?!____っぅわぶ」
・・・・・さすがに。
さすがのカーフェイも射殺するまえに騒がれる事のほうがメンドーだと悟ったのだろう。
痛烈な痛みを堪えた上体をズリ起こすとすぐ様、少女の細腕を引っ張り込み
倉庫の扉をつよく、
閉め切った。
外の冷気を遮断して尚、隙間からはいりこむ寒風。
鮮血の散ったシャツ一枚ではわずかな寒さすら凌ぐことが敵わない。
悴む肉体、失神してしまいそうなほど蝕む熱と、痛覚。
それでも絞りだす気概心だけで意識を保っているような、
そんな男をまえに、少女は。
ただ呆然と、
抉れた男の血肉だけを凝視していたばかりだった____…。