男たちの、本懐。
ジィーー、とガン見をつづけている。____…にもかかわらず少女は自分の
手許から注目をはずさないらしい。
『外せない』というほうが的確かもしれない。
何せ無免許のオンナが応急手当てと看護を、しかも自宅の、隠れた場所で
誰にもみつからずに行っているのだ。
現代社会のこのご時世、警察にも届け出ず、病院にもつれて行かず。
撃たれた男の介護を自己の判断で処理していくなど、無知な彼女にとったら
非現実味にも程があるというものである。
(…まぁ、サツにも周囲にも見つかりたくねぇ事情も聞かずにただ、身を隠したい。なんて我を通したのは
俺のほうなんだがな)
この少女は単にとばっちりを預かっているに過ぎない。
もう、そろそろキチガイの反駁を起こしても
おかしくはない頃合いだ、
・・・・・なのに。
(…エラく、
物分かりの良過ぎる娘だな)