ベイビー•プロポーズ
「あれ?もしかして……黎くん?」
「お久しぶりです。もえ、迎えにきました」
「わ~~久しぶりだねえ。やっぱり黎くんが迎えにきたんだあ」
「あおから連絡もらったんで」
「はあ〜ますますかっこよくなってる!」
「どうも」
「こんな時間にごめんねえ。この子、この通りなの」
「俺が好きで来てるだけなんで全然」
「ひゃ~!ほんと黎くんっていい子。もえからもいろいろ話は聞いてるよ?」
「もえ、俺の話するんですか」
「うん!あ、でも今日は大人数だったから黎くんの話はしてなかったけどね。2人の時はよく聞いてる」
「!」
「あははっ、黎くんかわい~」
「……」
「っんー…もう、食べれな、」
「えぇ?寝言?」
「食べ物の夢見てますね。かわいい」
「ふふ、もえのこと本当に好きなんだねえ」
「はい」
「じゃあもえのこと、よろしく頼みます!」
「はい」
「あ、黎くん!もえのこと……難しいかもしれないけど、諦めないでいてくれると嬉しいな」
「もえ以外の選択肢はないんで。大丈夫です」
夢の中で謎のホットドック大食い大会に出場していた私は、黎と椎菜の会話は全く耳に入っていなかった。