ベイビー•プロポーズ
「すっごく可愛い!ありがとう黎。私も大切に毎日つけるね」
「気に入ってくれてよかった」
「けど、どうして私にまでプレゼントくれたの?今日は黎の誕生日なのに」
「もえと付き合って1ヶ月が経ったから」
「えっ、私1ヶ月のプレゼントは何も用意してなかったのに……」
「もえはいいんだよ。これは俺と付き合ってくれてありがとうの気持ちのプレゼントだから」
つい数日前、私たちは付き合って1ヶ月を迎えた。その日は仕事終わりに駅で待ち合わせて一緒に食事をして軽くお祝いをした。
「1ヶ月経ったら絶対これをもえにプレゼントしようって、付き合った日から決めてた」
真っ直ぐ私の目を見つめる黎は、ピンクゴールドの指輪が輝く私の右手を柔く握った。
「俺、18歳になるまでにもえと付き合うのが夢だった」
「うん、ずっと言ってたよね」
「それが叶って、本当に毎日が夢みたいに幸せ」
握られている右手に更にきゅっと力が加わる。
「右手の小指にピンキーリングを贈る意味は、"変わらぬ想い"なんだって」
「変わらぬ、想い」
「もえを好きって俺の気持ちは、死ぬまでずっと変わらない。絶対に。それを誓うためにも、このリングをプレゼントしたかったんだ」