ベイビー•プロポーズ

番外編2.かわいいは沼


『第3問!“恋人の名前を呼び捨てで呼んでいる男性“は何%?』


クイズ番組から聞こえてきたアナウンサーの声に、夕食を囲んでいた全員の視線がテレビへと向く。


問題の正解と回答に誤差があると、1%につき風船が1個割れてしまうこのゲームクイズ。画面の中では回答者の芸人が「えー?」と頭を抱えている。
 

「んー、35%!」

「じゃあ俺は15」

「お母さんは53%にする〜!」


私と碧葉に続いて、お母さんも参加する。


「84パー」


そして我が家の食卓に当たり前のように馴染んでいる黎も、自信満々に声を上げた。


「いやいや、黎。それは多すぎるよ!」

「はい、黎アウトー」
 
「80%はちょっとねぇ」


全員からの総ツッコミに不満気に唇を結んだ黎。


『正解は……36%!』


聞こえてきた答えに私は小さくガッズポーズをした。


「やった!私ニアピンだ!」

「もえ、さすが」

「いぇい」


真横でハイタッチのポーズをして待つ黎の両手に、パチンと自分の手を重ねる。


『ちなみに、“ちゃん“付けしている人は呼び捨てに続いて24%、あだ名呼んでいる人は21%というデータです』


聞こえてきたアナウンサーの声にへぇーと思いながら唐揚げを一口、口へと運んだ。
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