続お菓子の国の王子様 結婚に向けて
正直なところ、何を言われるのか分からず不安だった。


リビングのソファに隣同士で座り、雅さんが話し始める。


「初めに、昨日のこと。本当に申し訳ないことをした。涼介と同様に、いくら謝罪をしても済まされない事も承知している。」


頭を下げている雅さんを、私は止める。
それに対して、雅さんは私に尋ねてきた。


「美愛ちゃんが思っていること、あの日感じたこと、俺に対してのこと、すべて聞かせてほしい。どんなことでも受け止めるから、たとえそれが罵倒であっても」


昨日からの私の気持ち?
沢山あって、整理できていない。
このすべてを本当に言ってもいいの?


迷っている私に、雅さんはもう一度優しく声をかけてくれる。


「全部受け止めるから、美愛ちゃんが思っていること、今思っていることすべてを俺に受け止めさせて。覚えている、コミュニケーションを大切にすること?」


少し頭を整理してから、彼に伝え始める。


「き、昨日、今まで聞いたこともない冷たい声と、見たこともない冷たい表情の雅さんに......」
< 18 / 115 >

この作品をシェア

pagetop