続お菓子の国の王子様 結婚に向けて
心配そうに見つめる彼に、私は静かにうなずく。


雅さんは旧華族の家柄で、愛情深い家族や仲間のこと、初めての彼女が自分をブランド品としてしか見ていなかったこと、甘党であることを否定されたこと、高校一年生の時に進路に迷っていたことを順に話してくれた。


「ある日、高校1年生の時、帰宅途中に迷子の女の子に出会った。面倒だと思い、関わらないようにしようと考えた。でもその子と目が合った瞬間、守ってあげたいという気持ちが湧いてきた。彼女はとても美しい子で、おそらく5、6歳くらいだったと思う。とてもきれいな目をしていてね。俺にはその子が、まるで天使や妖精のように見えた。その子は全然泣き止まなくてね。」


優しい目で微笑む雅さん。
彼の話を聞いているうちに、あの日の出来事が自分の中で重なっていく。


でもまだ確信が持てない私は、さらに彼の話を聞くことにした。


「その子はお菓子が好きだと言っていたので、カバンの中からフランスのキャラメルをあげたんだ。Meuhのキャラメル」

「う、うそ」


大きく見開いた目で息を飲み込む私に、彼は話を続ける。
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