続お菓子の国の王子様 結婚に向けて
「わ、私も同じ気持ちです。でも、一つ聞きたいことがあるの。雅さんが私のことを愛してくれるのは、私があの時の女の子だから?」


「美愛ちゃんがあの時の女の子だったのは、嬉しいボーナスだよ。俺は一緒に生活して、君なしではいられないと感じ、君を愛していると思った。美愛ちゃんは、俺があの時のお兄ちゃんだから?」


「今までの私の世界には、あの日のお兄ちゃんだけが存在してたの。自分でも情けないと思うけど、あのお兄ちゃんは私の王子様であり、初恋だから。でも雅さんと過ごすうちに、私は自然体でいられたし、とても安心するの。知らないうちに雅さんのことを意識しちゃっていたし。それに、雅さんに抱きしめられるとすごくドキドキして、離れたくないと思って思っちゃう。」


「じゃあ、俺たちも両思いだね?」


私はコクリとうなずいた。


「美愛ちゃん、俺は君を手放したくない。君を俺だけのものにしたい。本当はシチュエーションを考えるべきだけど、今の俺にはそんな余裕がないんだ。すぐにでも君の返事が欲しい。花村美愛さん、俺と結婚してください」



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