続お菓子の国の王子様 結婚に向けて

挙句の果てには、佐藤敏夫の美愛ちゃんに対する
暴言。


「今時の若い女性は恥を知らないようですね。この写真もその一例でしょう？　実際、男性と一緒にスーパーで買い物をしている写真もある。どこの馬の骨かもわからない一般人の娘よりも、うちの麻茉の方がずっと役に立ちますよ。何せ、私は三光銀行ミッドタウン支店の支店長ですからね。
家柄も
良いですし」


俺の怒りは頂点に達していた。インカムで圭介叔父さんとジョセフさんが、こちらに向かっていると聞いた。


「失礼ですが、佐藤さん。麻茉さんが我が社に在籍しているのは、彼女がコネ入社であるためですよ。しかし、私たちもボランティアをしているわけではありませんからね。麻茉さんのように、役に立たない社員は今後切り捨てる方針です。率直に申し上げますが、あなたの娘である麻茉さんには何の利用価値もありません。我が社にとっては、悪影響しかありません。先ほど、私の秘書である花村さんに対して誹謗中傷がありました。訂正してください。花村さんは、きちんと面接を経て入社しました。秘書スキルや語学能力において、花村さんに勝る人はいません。麻茉さんは、彼女の足元にも及びません。雲泥の差ですよ。ああ、言い忘れましたが、私は家柄で人を好きになったり、結婚したりすることはありません。西蓮寺家を軽んじていただいては困りますね。ちなみに、その写真に写っている男性は私ですよ。私たちは一緒に住んでいますから。花村さんには、私の公私ともに支えてもらっています」